遺言書を作ることは、家族への思いやりの一つ。特に「自筆証書遺言」は手軽に作成できる一方、条件を満たさなければ無効になるリスクも。この記事では、法的に有効な自筆証書遺言を作るための条件をわかりやすく解説します。
目次
自筆証書遺言とは?
遺言者が全文・日付・氏名を自筆し、押印する形式の遺言。作成費用がかからず、誰にも知られずに書けるのが特徴ですが、一定の法的ルールに沿って書かないと無効になります。
有効な自筆証書遺言と認められるための5つの条件
遺言者が全文を「手書き」で記載すること
本文すべてを自筆で書く必要があります。パソコンやワープロで作成したものは無効です。ただし、財産目録はパソコン作成が可能になりました(2019年の民法改正により)。
例外(OKなケース)
- 財産目録をパソコンで作成
- 各ページに署名・押印をすれば有効
日付を明記すること(例:「令和〇年〇月〇日」)
年月日を正確に記載することが必要です。「令和〇年春」「〇月吉日」などのあいまいな表現はNG。
遺言者の氏名を記載し、自筆で署名すること
フルネームで、本人と明確にわかる名前で記載。必ず自筆で記入すること。
押印が必要(実印・認印どちらでも可)
シャチハタ以外の印鑑を使用。署名の横に押印するのが一般的です。
遺言能力を有すること(15歳以上)
15歳以上で、意思能力(判断力)があること。認知症の可能性がある場合は無効とされるリスクがあります。
自筆証書遺言の法的保管制度も活用しよう
法務局に保管を依頼できる制度で、紛失や改ざんの心配がなくなります。
メリット
- 検認不要
- 安全に保管される
- 相続人に通知される仕組みあり
自筆証書遺言でよくある失敗と対策
よくある失敗と対策
- ❌ パソコンで全文作成 → 無効
→ ▶ 全文を自筆で。財産目録のみパソコンOK - ❌ 日付があいまい(「令和〇年春」など)
→ ▶ 「令和〇年〇月〇日」と正確に記載 - ❌ 署名・押印が抜けていた
→ ▶ 最後に署名+押印を忘れずに
専門家のサポートで、安心の遺言作成を
司法書士や行政書士、弁護士に相談することで、より確実な遺言が作成できます。ファイナンシャルプランナーに相談すれば、資産全体の整理も可能です。
まとめ:正しく書けば、想いはきちんと届く
- 自筆で全文を書く(財産目録を除く)
- 日付・署名・押印を忘れずに
- 保管制度の活用で安心
大切な人へ想いと資産を確実に届けるために、ルールを守って遺言書を作成しましょう。