はじめに|「団信は当たり前」と思っていませんか?
住宅ローンを組むとき、ほぼ必ず説明されるのが団信(団体信用生命保険)です。
銀行や不動産会社からは、こんな説明を受けることが多いでしょう。
「団信は必須です」
「保障を厚くしたほうが安心ですよ」
しかし、FPとして数多くの相談を受けてきた立場から言うと、
👉 団信は「必要な人」と「最低限でよい人」がはっきり分かれる保険
です。
この記事では、
- 団信の基本的な仕組み
- 一般団信と特約団信の違い
- よくある勘違い
- 後悔しない保障の選び方
を、金融初心者にもわかりやすく解説します。
団信(団体信用生命保険)とは?
団信の基本的な仕組み
団信とは、
住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になった場合に、
保険金で住宅ローン残高が完済される保険
です。
つまり、
- 残された家族は
- ローンのない家に住み続けられる
という仕組みになっています。
団信=生命保険の代わり?
よくある質問がこちらです。
「団信があれば生命保険はいらない?」
答えは、
👉 ケースバイケース
です。
団信はあくまで
住宅ローン残高をゼロにするための保険。
- 生活費
- 教育費
- 老後資金
までカバーするものではありません。
団信の基本タイプを整理しよう
① 一般団信(死亡・高度障害)
最も基本的な団信です。
保障内容
- 死亡
- 高度障害
この2つに該当すると、
住宅ローン残高が完済されます。
👉 多くの銀行で金利上乗せなし
まずはこの保障が「基準」となります。
② 三大疾病団信
三大疾病とは、
- がん
- 急性心筋梗塞
- 脳卒中
を指します。
一定の条件(入院日数・就業不能など)を満たすと、
ローン残高が完済または一部免除されます。
👉 金利上乗せ:年0.1〜0.3%程度
③ がん団信・8大疾病団信など
最近増えているのが、
がん100%保障、生活習慣病保障などです。
保障は手厚いですが、
- 条件が細かい
- 上乗せ金利が高い
という特徴があります。
団信は本当に「必須」なのか?
結論:基本団信はほぼ必須
住宅ローンは、
- 数千万円
- 30年以上
という人生最大の借金です。
万が一のときに、
- 家族にローンだけが残る
という事態を防ぐ意味で、
一般団信はほぼ必須と考えてよいでしょう。
ただし「保障の盛りすぎ」に注意
問題になりやすいのは、
👉 特約団信のつけすぎ
です。
団信でよくある勘違い
勘違い①|保障は広いほど安心
一見正しそうですが、
実際にはこうなります。
- 金利が上がる
- 総返済額が数百万円増える
しかも、
- 条件を満たさず
- 実際には使えない
ケースも珍しくありません。
勘違い②|民間保険より団信の方が得
団信は「団体保険」なので、
保険料は金利に含まれます。
👉 保障内容を細かく選べない
👉 途中で見直せない
というデメリットもあります。
団信の正しい選び方①|家族構成で考える
共働き・子どもなし
- 一般団信で十分なケースが多い
- 過剰保障になりやすい
専業主婦(夫)+子どもあり
- 団信の重要性は高い
- ただし特約は慎重に
ペアローン・連帯債務
- それぞれに団信が必要
- 保障の重複に注意
選び方②|すでに加入している保険を確認
意外と多いのがこのケースです。
- 医療保険
- がん保険
- 就業不能保険
すでに十分な保障がある場合、
団信で重ねる必要はありません。
👉 「住宅ローン+保険」をセットで考える
選び方③|「何が起きたら困るか」で考える
すべてのリスクに備える必要はありません。
考えるべきは、
「この状態になったら、家計が破綻するか?」
- 死亡 → 特に専業主婦家庭などは困るケースが多い
- 重い病気 → 貯蓄や保険で対応可能な場合もあり
この整理ができると、
保障は自然と絞れます。
団信を手厚くしすぎた失敗例
FP相談でよくあるのがこちらです。
- 三大疾病+がん+就業不能
- 金利上乗せ0.4%
結果、
👉 総返済額が300〜500万円増加
しかも、
- 条件が厳しく
- 実際には使えなかった
というケースも少なくありません。
団信は「住宅ローンの保険」
団信は、
👉 住宅ローンを完済するための保険
であって、
👉 人生すべてを守る保険ではありません
保障を盛るよりも、
- 借入額を抑える
- 貯蓄を増やす
ほうが、
家計の安全性が高まる場合も多いです。
まとめ|団信は最低限で
最後に整理します。
団信の基本方針
- 一般団信はほぼ必須
- 特約団信は慎重に
- 既存の保険と重複させない
判断の軸
- 家族構成
- 家計の余力
- すでにある保障
団信は「不安だから足す」ものではなく、
👉 必要だから選ぶもの
住宅ローンは長期戦です。
冷静な視点で、
自分に合った保障を選んでいきましょう。
団体信用生命保険をどこまで付けるべきかは、個々のライフプランによっても異なります。
ライフプラン個別診断では、団体信用生命保険を付加した場合、しないで保険で準備した場合など
比較してプランニングしています。
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