はじめに|「円だけで大丈夫?」と感じたことはありますか?
「円安が進んでいる」「将来のインフレが不安」など、最近よく耳にする言葉です。特に資産運用を始めたばかりの方にとって、「円建て」と「外貨建て」資産のバランスは悩みどころでしょう。
この記事では、資産を守るための通貨分散について、初心者でもわかるように「円建てと外貨建ての違い」から「適切な比率」までをわかりやすく解説します。
円建て資産とは?メリットと注意点
「円建て」とは、日本円で保有・取引する資産のこと。たとえば以下のようなものが代表例です:
- 普通預金・定期預金(日本の銀行)
- 日本国債
- 日本株・国内投資信託
- 個人年金保険(円建て)
メリット:
- 為替リスクがない(円のままで完結する)
- 国内での利用が便利
- 安定した流動性
注意点:
- 日本がインフレになると、実質的な価値が目減りする
- 低金利でリターンが期待しにくい
- 日本円に依存するリスク(財政赤字や人口減少など)
つまり、「安全」なイメージがある円建てですが、目減りリスク(インフレ・通貨安)もあるため過信は禁物です。
外貨建て資産とは?メリットとリスク
「外貨建て」は、米ドル、ユーロ、豪ドルなど日本円以外の通貨で保有する資産です。
例:
- 外貨預金
- 外貨建て保険
- 海外ETFや外国株
- グローバル債券ファンド
メリット:
- 通貨分散ができ、円安に強い
- 外貨金利が円より高く、リターンが期待できる
- グローバル経済の成長を取り込める
リスク:
- 為替変動リスク(円高になったら損)
- 為替手数料や税制の複雑さ
- 情勢変化(米国の金利政策など)の影響
たとえば、1ドル=130円で買ったドルが、円高で110円になれば為替差損が発生します。一方、円安に進めば利益が出ますが、「通貨の値動きに左右される」ことが最大の特徴です。
円建てと外貨建て、なぜバランスが重要なのか?
どちらにもメリット・デメリットがあるからこそ、分散が基本戦略になります。
特に重要なのが、
- インフレ対策:外貨建て資産は物価上昇に強い傾向
- 円安・円高の為替リスクのヘッジ
- 金利差による収益分散
長期的に見れば、すべて円だけで持つのは片寄りすぎであり、一部を外貨に分けておくのが資産防衛の第一歩です。
どのくらい外貨建てにするべき?
一般的な目安は以下のとおりです:
リスク許容度 | 外貨比率の目安 |
---|---|
低め(安全重視) | 10〜20% |
普通 | 30〜40% |
高め(積極運用) | 50%以上 |
たとえば:
- 普通預金・円建て保険で60%
- 米国ETF・外貨建て保険で40%
このように、「全てを外貨にする」必要はありません。自分の老後資金や目的・使う時期を考えながら、適切な比率を設計しましょう。
外貨建てを取り入れるおすすめ手段
初心者でも始めやすい外貨建ての資産としては以下があります:
- 外貨建て個人年金保険
- リスクを抑えながら外貨を保有したい人向け
- つみたてNISAでの米国ETF・投資信託
- 自動で積立でき、分散投資の基本
- 外貨預金(定期預金型)
- シンプルな仕組み。ただし為替手数料や為替差益の課税に注意
「わからないからやらない」のではなく、「少しずつ慣れる」ことが重要です。
よくある疑問Q&A
Q. 円安になったら損しませんか?
→ 外貨建て資産は円安に強く、むしろ円の価値が下がるときの保険になります。
Q. 為替変動がこわいです…
→ 分散投資をしておけば、円建てと外貨建てのどちらかに偏らずリスクを軽減できます。
Q. NISAやiDeCoで外貨建てはできる?
→ はい、米国株式やグローバル債券ファンドなど、実質的に外貨で運用する商品を選べます。
まとめ|未来の自分を守る「通貨の分散」
インフレや円安といったリスクに備えるなら、円だけでなく外貨を適度に持つことは資産を守る有効な手段です。
ポイントは:
- 円建てだけに頼らない
- 自分の目的や将来の使途に応じてバランスを取る
- 少額からでも外貨運用をスタートする
「守るための通貨分散」、今日から考えてみませんか?