不動産は資産かリスクか?活用法と評価のポイントを解説

はじめに|不動産は「守り」と「攻め」の両面を持つ資産

資産運用と聞くと、株や投資信託を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、不動産も立派な運用資産の一つです。特に日本では、相続や家族の住まいに直結することもあり、身近な資産として捉えられがちです。

しかし、不動産には「流動性の低さ」や「維持管理リスク」といった独特の難しさもあります。この記事では、不動産の活用法とともに、リスク評価の視点を持つことの重要性を解説します。


不動産の主な活用方法

賃貸経営(インカムゲイン)

空き家や相続した物件を賃貸に出して家賃収入を得る方法です。うまくいけば安定したキャッシュフローになりますが、以下の注意点があります。

  • 空室リスク:地方や築古物件は特に注意
  • 修繕・管理費用:築年数により負担増
  • 税金:所得税、固定資産税、住民税

売却による現金化(キャピタルゲイン)

不要な不動産を売却して資金に換える方法です。高く売れる場合は大きな利益になりますが、以下の点に注意が必要です。

  • 相場の変動
  • 仲介手数料
  • 譲渡所得税(5年以上所有なら軽減される)

不動産のリスク評価ポイント

立地・エリア

不動産価値の最大の要素は「立地」です。駅近や商業施設が整ったエリアは価値が下がりにくく、地方や過疎地は空き家リスクが高まります。

築年数・建物の状態

築年数が古くなると、修繕・リフォームが必要になります。特に賃貸に出す場合、入居者目線でのリフォームもコスト計算に含める必要があります。

法的制限(用途地域・接道など)

市街化調整区域、再建築不可物件などは価値が下がりやすいです。固定資産税が低くても利用制限がある土地は要注意です。

管理・運営の手間

不動産投資には「不労所得」のイメージがありますが、実際には以下のような業務があります:

  • 入居者対応(トラブル・退去など)
  • 家賃回収
  • 管理会社との連携

災害・地震リスク

特に日本は自然災害が多いため、耐震性能やハザードマップの確認が必須です。地震保険や火災保険もリスクヘッジとして必要です。


不動産の選び方

居住用から始める

まずは自分が住む家を「資産」として意識することから始めましょう。住宅ローン控除や、将来の住み替え時の売却益なども視野に入れた購入をおすすめします。

築古の戸建投資

比較的競合が少なく、割安な価格で買える、築年数が古い一戸建てなどからスタートするのが無理のない方法です。

ただし、築年数が古いと、基礎や柱が傷んでいる場合などもあり、見極めが重要です。また、修繕も必要になります。楽しんでDIYできる人が向いています。

信頼できる管理会社を選ぶ

特に賃貸経営では、管理会社の良し悪しが収支を左右します。手数料だけでなく、対応力・入居者募集の実績なども見て判断しましょう。


不動産活用の成功事例と失敗事例

成功事例:都心の中古マンションを活用

  • 購入価格:1800万円
  • 家賃収入:月8万円
  • 管理・修繕費:月1万円
  • 利回り:約4.7%

都心駅近で空室率が低く、5年以上安定運用に成功した例です。

失敗事例:地方の築古戸建を自己管理

  • 家賃収入:月5万円
  • 修繕費:年30万円
  • 退去後空室:1年以上

家賃収入があっても、空室リスクと修繕コストで赤字に。


まとめ|不動産も「守り」の視点が重要

不動産は魅力的な資産運用の選択肢ですが、「価格が下がらない」「必ず収益が出る」といった考えは危険です。

不動産を活用する際のポイントは以下のとおりです:

  • 資産価値を正しく評価する
  • 収益性だけでなく流動性も見る
  • 出口を見据えた戦略を練る

不動産は長期戦です。しっかりとリスクを理解し、資産全体のバランスの中で活用することが大切です。

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