なぜリスク許容度を再確認する必要があるのか?
投資を続けるうちに、マーケットの変動やライフスタイルの変化により、自分の「リスクに対する考え方」や「心の余裕」が変わってくることがあります。特に、株価の下落時に不安を感じたり、急にリスクを取りたくなったりするのは、リスク許容度をきちんと理解していないことが原因かもしれません。
この記事では、リスク許容度の再確認を通して、より自分に合った運用スタイルを見つけるためのポイントを解説します。
リスク許容度とは何か?
リスク許容度とは、「どの程度の損失を受け入れられるか」という投資に対する精神的・経済的な耐性を指します。
リスク許容度が高ければ、株式中心のハイリスク・ハイリターンな運用が可能。一方、リスク許容度が低ければ、債券や預金などを中心にした安定型の運用が向いています。
リスク許容度を構成する5つの要素
1. 年齢とライフステージ
一般的に、若い人ほどリスク許容度が高く、年齢を重ねるごとに低くなる傾向があります。
若いうちは運用期間が長いため、一時的な損失を取り戻す時間がありますが、定年が近づくとそうはいきません。
2. 資産状況と収入の安定性
資産が多く、収入が安定していれば、リスクを取る余裕も生まれます。逆に、貯金が少なく、収入が不安定な場合は、慎重な運用が求められます。
3. 投資経験と知識
投資経験が豊富でマーケットの動きに慣れている人は、一時的な価格変動に対して冷静に対応できます。経験が浅い場合は、リスクのある商品に手を出す前に、自分の知識と感覚を養うことが必要です。
4. 家族構成やライフイベント
子どもの教育費や住宅ローンなど、将来的な支出の予定がある場合は、資金の安全性を重視する必要があります。また、独身の方やDINKs(共働き子なし)の方は比較的自由度が高いですが、老後の備えは必須です。
5. 性格と心理的な耐性
価格変動を「チャンス」と捉えるか「不安」と感じるかは人それぞれ。どれだけ冷静に相場の上下を受け止められるかが、心理的リスク許容度の鍵になります。
リスク許容度を見直すタイミングは?
- 昇進・転職・退職など、収入が大きく変わったとき
- 結婚や出産など、家族構成に変化があったとき
- 投資先が大きく値下がり・値上がりしたとき
- 投資スタイルに迷いや不安を感じるようになったとき
年に一度程度、定期的に見直すのがおすすめです。
チェックリスト|あなたのリスク許容度は?
以下の質問に答えてみましょう(YESが多いほどリスク許容度が高い傾向)。
- 5年以上使う予定のないお金で投資している
- 一時的な損失があっても冷静でいられる
- 毎月安定した収入がある
- 家族の生活に直結しない資金で投資している
- 過去に株や投資信託を保有した経験がある
YESが0〜1:低リスク型(債券・預金中心)
YESが2〜3:中リスク型(バランス型・インデックスファンド)
YESが4〜5:高リスク型(株式中心・海外資産含む)
リスク許容度に応じた運用例
【低リスク型】
- 日本国債・定期預金・個人向け国債
- 毎月分配型の投資信託(利回りは低め)
【中リスク型】
- インデックスファンド(バランス型)
- 米国債・先進国ETF
【高リスク型】
- 国内外の個別株・新興国株
- 暗号資産・ハイイールド債
ポートフォリオを柔軟に見直そう
ライフスタイルや相場環境に応じて、ポートフォリオ(資産配分)は変えていくべきです。リスクを見直さずにそのまま放置してしまうと、「今の自分には合っていない投資」を続けてしまう可能性があります。
まとめ|リスク許容度を知ることが資産を守る第一歩
リスクを無理に取る必要はありません。大切なのは、自分がどの程度の変動に耐えられるか、精神的・経済的な余裕を持てるかを見極めること。
「焦らず減らさず育てる資産防衛」のためにも、まずは自分のリスク許容度をしっかりと再確認しておきましょう。
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チェック結果に応じて、資産の分散や運用方針を見直すきっかけとして活用してください。